日本語や英語の動詞は、現在、過去、未来といった時制によって変化します。タガログ語では時制に似たもので、相(aspect)というものがあります。以下、食べるという日本語の動詞との対比でみていきます。
1. 不定相
最も基本的な、活用しない形です。食べなさい、食べよう、といった、命令や勧誘の文で使われます。また、日本語や英語の助動詞に相当するものの後に動詞が置かれる際(食べるべき、食べたい、等と言う場合)も、この形となるようです。
2. 完了相
食べた、というように、その行為が完了した状態で使われる形です。
3. 未完了相
食べている、食べていた、というように、その行為が進行している状態を表すのに使われます。進行している状態であれば、それが今ことなのか、過去のことなのかに関わらず、この形が使われます。
4. 未然相
食べようとしている、食べようとしていた、というように、その行為をしようとしている状態を表すのに使われます。こちらも、それが今のことなのか、過去のことなのかに関わず、使われます。
さらに、タガログ語の動詞は、上記の相(aspect)だけではなく、焦点(focus)を何に当てるのか(その行為を行う人、その行為が行われる対象物、場所や理由など)によって、変化します。
タガログ語の動詞の数は、相 ×焦点 で莫大な数(食べるという動詞だけで20種類?)になりそうですが、その活用の仕方にもパターンがありそうですので、効率よく覚えられるよう整理していきたいと思います。
今回は、食べる、という動詞の行為者焦点について、それぞれの相を見ていきます。
例文
Kain tayo. 食べましょう。
kain は不定相です。tayoは聞き手を含む私たちなので、「さあ食べましょう」というニュアンスになります。
Kumain kami. 私たちは食べ終わりました。
kumain は完了相です。食べる行為が完了した状態であることを表します。
Kumakain kami. 私たちは食べています。
kumakain は未完了相です。食べている最中であるであることを表します。
Kakain ba kayo? これから食べるのですか。
kakain は未然相です。まだ食べ始めてはいないが、これから食べるつもりであることを表します。
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